マイクロ波化学を活用した、高効率・低コストかつ省エネな革新的プロセスを開発しました。プロセスの基盤となるコア技術は、反応系構築、マイクロ波に適した独自のハイブリッド触媒と完全フロー型マイクロ波リアクターです。
これらの基盤技術により、従来商業的に難しいとされていた遊離脂肪酸を多く含む油脂を”ワンポット”でエステル化・エステル交換することを可能とし、食用と競合する油脂だけでは無く、非食用を含む多種多様な原料から各種脂肪酸エステルやバイオディーゼルを製造することが可能になりました。さらに、反応性の高い本プロセスを利用して副生成物・不純物の少ない系を構築し高品質の電子材料や医薬中間体を生成します。また、内部選択照射の特性を生かして、農業残渣や微細藻類中の油分や微量に存在する有効成分の抽出を可能とします。
基盤技術1:反応系構築
マイクロ波吸収能を示す損失係数を測定し、マイクロ波照射下において最適な反応系を構築します。

計算化学とマイクロ波吸収能解析による反応系構築
基盤技術2:ハイブリッド触媒
当社が開発したマイクロ波に適したハイブリッド触媒は、誘電損失係数・磁性損失係数の大きい固体触媒であり、マイクロ波照射条件下で非平衡局所加熱により触媒活性が高くなる革新的触媒です。

ハイブリッド触媒開発
基盤技術3:大規模完全フロー型マイクロ波リアクター
国内外でマイクロ波が、化学プロセスにおいて産業化されてこなかったのは、スケールアップが困難であったことが一因と言われています。当社は、3年前よりこの課題に取り組み、2009年の春に、世界初となる日産2〜10トンレベルの燃料製造用の完全フロー型マイクロ波リアクター(1号機)の開発に成功しました。2011年には化成品製造用の日産2〜4トンレベルの大規模完全フロー型マイクロ波リアクター(2号機)を立上げました。
プロセスイノベーション: 当社が開発したプロセスは、マイクロ波を活用して、より効率的に短時間で反応場の活性化を行うと共に、選択的にマイクロ波と相互作用するハイブリッド触媒表面が反応場になり省エネルギーで反応を促進する特徴を持ち、反応の高効率化を可能とします。これにより、従来困難であったエステル化とエステル交換反応を、”ワンポット”で行うことのできる環境調和型の革新的プロセスを実現しました。

プロセス比較
開発体制・開発チーム: マイクロ波化学、有機化学、化学工学・機械工学という3分野の専門家から構成される多様かつバランスの良い開発チームと、大阪大学などアカデミアの先端的研究、現場のモノ作り力、大企業のリソースなどを組み合わせたオープンイノベーションの仕組みにより、開発を進めています。
特許: 触媒、反応・装置を中心に、現在、数報の特許を出願済みです。詳しくはお問い合わせください。
委託・助成事業: 平成19〜22年度 NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術開発機構)「新エネルギーベンチャー技術革新事業(Phase Ⅰ〜Ⅱ/Phase C)(マイクロ波化学を用いた革新的バイオディーゼル製造法)」に採択されました。平成23年度 NEDO 「新エネルギーベンチャー技術革新事業(Phase B) マイクロ波を応用した藻類燃料の革新的抽出技術」にデンソー、大阪大学と共同で採択されました。
